「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の挑戦」を観て、「メモを取らねば!」と至った経緯あれこれ
ヴィンチ村のレオナルドは如何に天才であったのか
2月14日、世間はバレンタインで賑わっていたであろう日に、僕は暇だったため江戸東京博物館で開催中のレオナルド・ダ・ヴィンチ特別展を鑑賞して参りました。
レオナルドに対して、特別な関心を持っていたわけではないのですが、今回の展示会のアプローチがとても興味深かったため、出不精の僕が重い腰を上げて足を伸ばしてきました。
何が興味深いアプローチなのか。
それは作品そのものに焦点を当てるというよりも、その作品が生まれるまでの過程ーそれは手稿Manuscriptsというカタチで残されているーレオナルドがどのようにアイデアを練り上げて作品へと昇華させたのかに焦点を当てているところがとても興味深い。
これは単に、如何にレオナルドが天才であるのかをこれでもかと思わせる「俺ドヤッ!な展示会」(とっくに絶命してるけど)でもありますし、クリエイティブなモノを生み出すための方法論としてみることも可能です。
「BEYOND THE VISIBLE」見えない世界を探る
花、馬、人体という対象のみならず、鳥の飛翔や飛行機の研究をノートに取っており、それらを正確に捉えようとするレオナルドの真摯な観察、ときには迷い、ときには思考を断念せざるを得ない等、彼の人柄や思考の断片がその筆跡から読み取れました。
彼の思考が載ったその手稿からは物事を正確に捉え、創造するためのアイデアがあるのではないかと展示作品を眺めながら、ふと思いました。僕なりに、感じたその手がかりを列挙していきたいと思います。
- とにかく観察
- とにかく模写
- 文章だけでなく、図や絵を描く
- 複雑な対象は分解して、個々に理解
- 自分の考察も記述
とにかく観察
持って生まれた才能なのでしょうか。つぶさにその対象を観察し、何も見逃さないかのような観察眼です。「鳥の飛翔に関する手稿」では、いまと違ってビデオのように巻き戻ししたり、スローモーションにしたりなど出来ないというのに、よくそこまで見てるなってレベルで観てます。すごい。
とにかく模写
花、馬、子どもなどをひたすらに素描しています。そのカタチを捉えることで、その裏側に隠された真理を見つけるかのように、です。また、その表面的なカタチのみならず、人であれば、臓器や骨なども描き、どのように出来上がっており、どのように動くのかまでを描いているのです。鬼畜の所業です(褒め言葉)。
文章だけでなく、図や絵を描く
手稿は多くが文章で構成されています。しかしながら、気になるポイント、文章では表現しづらいものは、やはり図や絵でもって書き留めています。
「鳥の飛翔に関する手稿」では、鳥が飛行中にバランスを崩す理由を絵なども交えながら理論的に考察してました。
また、単に暇つぶしとも思える絵なども描いていたり、授業中に落書きする学生みたいなこともやっていて、なんだか微笑ましかったです。
複雑な対象は分解して、個々に理解
絵で“あるテーマ”を描くとき、その人物の表情や手のしぐさなどに意味を持たせると思うんです。目の向き、手の位置、絵の人物・風景などのレイアウトなどなど。幾つもの要素が絡まってひとつの絵が描かれています。それをつくり上げることは複雑ですから、簡単な要素にブレイクダウンさせ、単純化し、今度はそれらを丹念に磨き上げていくのです。そして、それをまた一つの絵にアレンジして壮大なテーマの絵へと昇華させています。
自分の考察を記述
手稿の内容は、ただ単に自然観察したものを描写したり、文章で記録したりしているわけではありません。そこには観察した結果、じぶんはこう思って、こう考えているなどの考察が記述されています。それは、なるべく論理が飛躍しないように努め、ロジカルな思考で考察しようという意志が伝わってきました。なかには、行き詰まって思考を断念した内容も載っていたりと彼が悪戦苦闘している様が有り有りと手稿から感じ取られます。
伝説的な偉人であるレオナルド・ダ・ヴィンチが(至極当たり前なんだけど)、人間なんだなって思った
小学生か!っていう感想で申し訳ないです。
でも、彼の出来上がった作品だけみてもわからなかった「どのような思考」・「どのような人となり」を、今回の展示会で窺い知ることが出来ました。それって、どこか人間離れした偉人を身近に感じることができるきっかけの場でもあったわけです。
そして、クリエイティブなものを生み出すのは(次元は違えど)地道な努力の賜物でもあるってこともわかりました。これって、今回すごく教えられたことでもあります。
最後に、タイトルにあるように世界への探求と観察などを、手稿というか、現代的にはメモ・ノートに当たると思うのですが、記録に残すってことが大事だねって思いに至りました。
ある意味、このようにブログとして残すこともその一つだと思います。基本ブログって関心事を対象に記録することだと思うんですけど、とにかく関心の幅を広げて、ときには深掘りして、考えて悩んでを繰り返していきたいですな。
うん、なんとなく着地したのでこれで締めくくりたいと思います。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の挑戦」は4/10(日)までやってますから、僕みたいに暇な人はぜひ観に行くといいですよ!
休日はなかなかにチケット売り場が混雑しているので、出来ればオンラインチケットで事前に購入されることを強くオススメします。僕が行った日は40分待ちになってましたから。
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